不動産担保ローンの「一括返済」とは、ローンの借入期間中に、元金と利息をすべてまとめて返済する方法です。これは繰り上げ返済の一種であり、通常の返済スケジュールを早めて全額返済することにより、最終的な利息の負担を軽減することが可能です。対して、借入残高の一部を期日よりも早く返済することを「一部繰り上げ返済」と呼びます。
また、一括返済に似た言葉として「元金一括返済」があります。これは、不動産担保ローンの返済方法のひとつで、月々の返済は利息のみとし、最終の返済日に元金全額を一括で返済する方式です。この方式は毎月の返済負担を軽減できる反面、元金返済時に大きな負担がかかる点が特徴です。
一括返済を行うと借入期間が短くなるため、通常支払う予定であった利息分をカットすることができます。利息は借入金額、金利、借入期間で決まるため、返済を早めるほど利息の負担を抑えられ、総返済額の削減が可能です。
一括返済をすれば、借入残高がゼロとなり、毎月の返済義務がなくなります。これにより、資金の余裕が生まれ、返済に関するリスクも軽減されます。特に不動産担保ローンは高額で長期間にわたる借入れとなることが多いため、将来的に返済困難になるリスクを取り除くことは非常に有益です。
万が一返済ができなくなると、担保としている不動産が売却され、その売却代金が返済に充てられるため、不動産を失うリスクを避けるためにも一括返済が有効な手段となります。
金融機関によっては、予定より早く一括返済する場合に「早期完済違約金」や「中途解約手数料」といった違約金が発生することがあります。この違約金は、返済元金の一定割合がかかることが一般的ですが、契約から一定期間が経過すると違約金がかからなくなるケースもあります。一括返済を検討する際には、違約金の発生を考慮に入れることが重要です。
一括返済には元金と利息を含めた全額を用意する必要があるため、まとまった資金が必要です。現在は手元に十分な資金があったとしても、業績悪化や予期せぬトラブルによって将来的に資金不足に陥るリスクも考えられます。新型コロナウイルス感染症や原材料価格の高騰など、予期せぬ外的要因が資金繰りに影響することもあるため、一括返済を行う際には慎重に検討しましょう。
一括返済後に手元資金が不足し、急に資金が必要になった場合、新たな融資を受けるためには審査を受ける必要があります。資金繰りが苦しい状況で審査を受けると通らないこともあり、さらに、通過した場合でも以前よりも不利な条件で借り入れを行う可能性があります。
不動産担保ローンは不動産を担保に借り入れを行うため、金利が低い傾向にありますが、無担保ローンではより高い金利になることが多く、借入期間も短くなる場合があり、その結果、毎月の返済負担が増えることがあります。
不動産担保ローンの一括返済は、総返済額を抑えたり、返済負担を減らしたりするなどのメリットがありますが、違約金や手元資金不足のリスクもあります。返済計画は慎重に立て、自分の資金繰りや将来的なリスクを考慮に入れたうえで判断することが大切です。一括返済を検討する際は、金融機関と相談し、契約内容をよく確認しましょう。
ここでは、大阪に拠点を持ち、個人向けの不動産担保ローンを提供している会社の中から、諸費用無料項目(※1)が多い3社を紹介します。(2021年6月調査時点)
※1.事務手数料、調査料、繰り上げ返済費用、解約金
ビジネスクルー
三鷹産業
SKトラスト